事務の正社員になるには?未経験から採用される方法を解説

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監修者 熊谷 直紀
監修者 熊谷 直紀

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熊谷 直紀

監修者熊谷 直紀

横浜国立大学理工学部卒。株式会社DYMに新卒一期生として2011年に入社し、WEBプロモーションなどのデジタルマーケティング領域で業務に従事し、その後新規事業立ち上げを経験。
2015年よりDYMの人事部へ異動し人事領域を統括、毎年多くの就活生や求職者との面接・面談を実施。
内定チャンネルなどの採用関連メディアへの出演や記事監修を通して人事・人材関連の情報を発信中。

事務の正社員は、安定した収入やワークライフバランスの取りやすさから、就職・転職先として多くの人に選ばれる人気職種です。一方で、未経験者には競争の激しさや即戦力志向という高い壁が存在します。本記事では、未経験から事務の正社員に採用されるために必要な知識・スキル・資格・具体的な行動手順を分かりやすく解説します。

<この記事で紹介する5つのポイント>

  • 事務職には一般事務・営業事務・経理事務・総務事務・専門事務などの種類があり、それぞれ求められるスキルや難易度が異なる
  • 未経験から事務の正社員を目指すには、有効求人倍率の低さや即戦力志向など採用市場の実態を正しく理解した上で戦略的に行動することが重要
  • WordやExcel・タイピングなどのパソコンスキルに加え、MOS・日商簿記検定・秘書技能検定などの資格取得が採用において大きな差別化になる
  • 志望動機では「なぜ事務職なのか」を前職経験と結びつけて具体的に語り、成長意欲と長く働く意思を明確に伝えることが採用担当者の心を動かすカギになる
  • 未経験者は中小企業や正社員登用制度のある職場を狙い、派遣・アルバイトから経験を積む方法や転職エージェントの活用も視野に入れると正社員への道が開けやすい

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事務の正社員とはどんな仕事か

事務職とは、データ入力や書類作成・処理・整理、電話・来客対応といった事務作業全般を担う職種の総称です。民間企業や官公庁、各種団体が事業を営む上で必ず発生する業務であるため、「社内のサポート役」というイメージを持つ方も多いでしょう。

正社員として事務職に就いた場合、安定した収入に加え、賞与や各種手当の支給、福利厚生なども期待できます。また、決まった業務をこなすことが多いため、プライベートな時間を確保しやすい傾向があり、ワークライフバランスを重視したい方にも選ばれやすい職種です。一口に事務職といっても、いくつかの種類があります。次の見出しからは、その主な種類について詳しく解説します。

事務職の主な種類

事務職にはさまざまな種類があり、担当する業務や求められるスキルはそれぞれ異なります。代表的な種類としては、幅広い業務を担う「一般事務」、営業担当者を支援する「営業事務」、会計業務を担当する「経理事務」、社内環境の整備や社内行事の運営を担う「総務事務」、そして特定の業界に特化した「医療事務・学校事務などの専門事務」が挙げられます。どの職種を選ぶかによって、必要な知識やスキルが変わるため、自分の適性や目標に合わせて検討することが大切です。

一般事務

一般事務は事務職の中でも最も基本的な職種であり、多くの人が「事務職」と聞いてまず思い浮かべるポジションです。

主な業務内容は、会議資料や議事録・見積書・請求書などの書類作成、作成した書類のファイリング、顧客情報や売上データのデータ入力、各種伝票の処理・整理、郵便物の発送・仕分け、電話や来客への対応など多岐にわたります。ただし、所属する企業の規模や担当部署によって業務の範囲は変わります。大手企業では細かくセクションが分かれていることが多く、中小企業では幅広い業務を一人で担うケースも少なくありません。

営業事務

営業事務の役割は、営業担当者が商品・サービスの販売活動に専念できるよう、事務面から支えることです。

具体的な業務内容としては、営業担当者へのメール確認やスケジュール管理、作業内容の確認・連絡事項の申し送り、見積書や請求書の作成、受発注処理、納期管理などが挙げられます。また、営業担当者に代わって顧客からの問い合わせ対応や来訪者の接客を行うこともあります。パソコンスキルに加えてコミュニケーションスキルも求められる職種であり、接客経験や販売職からの転職にも向いています。

経理事務

経理事務は企業のお金の流れを管理する重要な職種であり、高い正確性と数字への適性が求められます。

主な業務は、経費の精算、入金・振込管理、伝票の仕分けや帳簿作成などの会計業務です。企業にとって欠かせない財務情報を扱うため、簿記や税制に関する専門的な知識・スキルが求められるケースも多く、経験者が優遇される求人がほとんどです。未経験者にとってはハードルが高い一方、日商簿記検定などの資格を取得して知識を証明することで、採用のチャンスが広がります。

総務事務

総務事務は、企業内の環境整備や社内制度の運営を担う、会社全体を支える縁の下の力持ち的な存在です。

主な業務内容は、コピー用紙や付せんなどの消耗品・備品の管理や発注、デスク・パソコンなどの設備管理、社内行事の計画と実行、福利厚生に関する手続きなどです。小規模な企業では人事事務と統合して担当するケースもあります。業務の幅が広いため、細かいところまで気付ける管理能力の高さや、会社にとって効果的な施策を客観的に考えられる視点が求められ、一般事務よりも難易度が高い傾向があります。

医療事務・学校事務などの専門事務

医療事務や学校事務は、特定の業界に特化した専門知識を生かして働く事務職です。

医療事務は病院やクリニックなどの医療機関で、受付・会計・診療報酬請求(レセプト業務)などを担当します。学校事務は小中学校・大学・専門学校などで、生徒や保護者への対応、授業資料の準備、学生データの管理、教職員のサポートなどを行います。ルーティンワークが多く未経験者にも取り組みやすい面があり、民間企業よりも堅実な職場環境として安定性を重視する方に人気の職種です。

事務の正社員が日常的に担当する業務内容

事務の正社員は、組織の円滑な運営を支えるために、日々さまざまな業務をこなしています。

業務内容は職場の規模や業種によって異なりますが、書類作成・データ入力・ファイリングといったデスクワークを中心に、電話・メール対応、スケジュール管理、社内外との連絡調整など、幅広い業務を担当するのが一般的です。以下では、代表的な3つの業務カテゴリについて詳しく解説します。

書類作成・データ入力・ファイリング

事務職の基本となるのが、書類作成・データ入力・ファイリングで、正確かつ迅速にこなす能力が求められます。

書類作成では、会議資料や議事録、見積書、請求書など業務に必要な文書をWordやExcelなどのソフトを使って作成します。データ入力では、顧客情報や日々の売上数などをシステムに登録・管理する作業を行い、金額などの数値に一つでも入力ミスがあると大きなトラブルにつながる可能性があるため、細心の注意が必要です。ファイリングは、作成した書類を日付別・用途別に分類してファイルに収納する作業であり、後から参照しやすいよう適切に整理しておくことが求められます。

電話・メール対応とスケジュール管理

電話・メール対応とスケジュール管理は、会社の印象を左右する重要な業務であり、ビジネスマナーと正確な情報伝達が不可欠です。

電話対応では、会社の代表番号や部署にかかってきた外部からの電話を各担当者へ取り次ぐ役割を担います。メール対応では、社内外からの問い合わせや連絡事項に対して、丁寧かつ迅速に返信することが求められます。

また、担当する社員の予定を管理するスケジュール管理も重要な業務の一つです。複数の社員のスケジュールを把握し、会議や打ち合わせの日程調整を円滑に行うことで、組織全体の業務効率を高める役割を果たしています。

社内外との連絡調整・庶務対応

社内外との連絡調整や庶務対応は、事務の正社員が組織を裏側から支える上で欠かせない業務です。

関係先への書類・郵便物の発送や、自社に届いた郵便物の部署別仕分け・分配も日常的な業務の一つです。また、来訪客の案内・接客、飲み物の手配、担当者への取り次ぎといった来客対応も含まれます。

さらに、備品の在庫確認や発注、社内の環境整備など、いわゆる庶務業務も事務職の担当範囲です。これらは一見地味に見えますが、職場環境を整え、他の社員が業務に集中できる環境をつくるために重要な役割を担っています。

事務職が多くの人に選ばれる理由

事務職が多くの人から選ばれる最大の理由は、ワークライフバランスを確保しやすく、長く安定して働きやすい環境にあります。

「デスクワークのため体への負担が少ない」「残業が少なく土日休みが多い」「ノルマがなくプレッシャーを感じにくい」といったイメージが広く持たれており、プライベートを重視したい方に好まれる傾向があります。また、基本的には決まった業務をこなすことが多いため、業務の流れが把握しやすく、長期にわたって安定した環境で働けるという魅力もあります。こうした条件の良さから辞める人も少なく、空きが出にくいという側面もあるほど、安定して人気を集めている職種です。

事務の正社員の年収・給与水準

事務職の正社員として働く場合、給与水準は職種や業界、勤務先の企業規模、経験年数などによって幅があります。就職・転職を検討する際には、あらかじめ年収の目安を把握しておくことが重要です。

ここでは、正社員事務職の平均的な収入水準と、給与に影響を与える要因について詳しく解説します。

正社員事務職の平均年収と月収の目安

正社員の事務職における平均年収は300万円〜400万円程度が一般的な水準であり、日本人全体の平均年収と比較するとやや低めの傾向があります。

令和4年に実施されたDODAの調査によると、事務職の平均年収は336万円でした。国税庁の調査では日本人の平均年収が443万円とされており、事務職の平均年収は全体平均より約100万円低いことが分かります。そのため、事務職では平均以上の高収入を得にくいケースが多いかもしれません。ただし、残業対応や昇給制度のある会社を選ぶことで、年収アップを図ることは可能です。

職種・業界・企業規模による給与の違い

事務職の給与水準は、担当する職種や所属する業界、企業の規模によって大きく異なります。

一般的な事務職の年収は300万円〜400万円程度が多い一方、経理や総務など専門性の高い事務職に就くと、給与が高くなる傾向があります。また、英語スキルを持つ方は年収が比較的高めの外資系企業に重宝されるなど、専門的なスキルを持つことで収入の幅が広がる可能性もあります。

企業規模においては、大手企業ほど給与水準や福利厚生が充実しているケースが多い反面、未経験者には採用のハードルが高くなりやすい点にも注意が必要です。

経験年数やスキルが年収に与える影響

経験年数を積んでスキルを高めることが、事務職における年収アップへの確実な道筋となります。

経理事務の場合、簿記の資格を取得して実務経験を重ねることで年収が上がることが考えられます。さらに会社の管理職やリーダーに就いた場合は、年収500万円〜600万円程度になることもあります。

また、TOEICなどの英語資格や、MOS(Microsoft Office Specialist)などのパソコン関連資格を取得して即戦力としてのアピールができると、転職時にも有利に働く場合があります。未経験からスタートする場合でも、着実にスキルを積み上げることで収入向上を目指せます。

事務の正社員になるには|求められる条件と難易度

事務の正社員を目指すにあたって、まず現状の採用市場を正しく理解しておくことが大切です。事務職は人気の高い職種である一方、正社員求人の数は限られており、採用されるためには一定の準備と戦略が必要になります。

ここでは、有効求人倍率をはじめとした競争の実態や、採用で重視されるポイント、正社員を目指すための具体的な方法について解説します。

正社員事務職の有効求人倍率と競争の実態

事務職の有効求人倍率は非常に低く、求職者の数に対して求人数が少ない「狭き門」となっているのが実情です。

厚生労働省の調査によると、令和4年10月時点での事務的職業の有効求人倍率は0.45であり、パートの求人を除くと0.42となっています。これは正社員として事務職に就くためには、2〜3人に1件の求人しかない計算になります。

また、一般事務の有効求人倍率は0.31倍という数字も示されており、事務職に就きたい人10人に対して求人はおよそ3件という非常に厳しい状況です。採用されるためには、他の求職者よりも自身をアピールする工夫や高いスキルが求められます。

事務の正社員採用で重視されるポイント

事務の正社員採用では、志望動機の充実度・パソコンスキルの有無・成長意欲の高さが、採用担当者に評価される主要なポイントです。

「なんとなくデスクワークがしたい」といった曖昧な志望動機では採用担当者の心に響きません。なぜ事務職を志望するのか、どのようなスキルを生かせるのかを自分の言葉で語れる人が採用されやすい傾向にあります。また、未経験であってもWordやExcelの基本操作は求められるため、少しでも事前に準備しておくことが評価につながります。さらに、「未経験でも早く仕事を覚えて戦力になりたい」という前向きな姿勢を示せる人は、企業にとって魅力的な人材として映ります。

正社員登用制度を活用して事務職を目指す方法

未経験者が正社員の事務職を目指す現実的な方法の一つが、正社員登用制度のある職場でアルバイトや派遣社員として経験を積むことです。

未経験者を対象とした正社員求人はなかなか見つからないケースも多くあります。そのような場合は、最初から正社員にこだわらず、正社員登用制度のある企業でアルバイトや派遣社員として働くことを検討してみましょう。

実際に業務を通じてスキルを身に付けられるほか、職場の雰囲気や社風を内側から知った上で正社員を目指せるため、ミスマッチを防ぐことにもつながります。経験を積んだ後は経験者として正社員求人に応募できるようになるため、着実なステップアップが期待できます。

未経験から事務の正社員を目指すのが難しい理由

事務職は「誰でもできる仕事」というイメージを持たれることもありますが、実際には未経験から正社員として採用されることは簡単ではありません。その背景には、採用市場の構造や業務の性質に起因する複数の理由があります。ここでは、未経験者が事務の正社員を目指す際に直面しやすい3つの壁について解説します。事務職は「誰でもできる仕事」というイメージを持たれることもありますが、実際には未経験から正社員として採用されることは簡単ではありません。その背景には、採用市場の構造や業務の性質に起因する複数の理由があります。ここでは、未経験者が事務の正社員を目指す際に直面しやすい3つの壁について解説します。

即戦力志向により未経験者が不利になりやすい背景

企業の中途採用では育成に時間を要する未経験者よりも、即戦力となる経験者が優遇されるケースがほとんどです。

正社員の事務職は人気が高く求人数も限られるため一つの求人に対して多くの応募者が集まります。その中には事務職の経験者も多数含まれており、経験者と未経験者を比べた場合、企業は早期に戦力となる経験者を採用しやすい傾向にあります。

実際に事務職は「幅広い業務を正確かつスピーディーにこなす力が求められる仕事」であるため、企業が即戦力を重視するのは当然ともいえます。未経験者がこの壁を乗り越えるには、スキルの習得や明確な志望動機の準備など、事前の対策が不可欠です。

人気職種ゆえに応募競争が激しくなりやすい実情

事務職は「残業が少ない」「土日休みが多い」「体への負担が少ない」などの理由から求職者に人気が高く、一つの求人に多数の応募が集まる傾向があります。

勤務条件の良さから辞める人も少なく、そもそも求人として空きが出にくいという側面もあります。また、派遣やアウトソーシングを活用して人員を補充する企業が増えているため、正社員としての求人数自体が少ないのも実情です。好条件の求人ほど応募者が多く、スキルの高い経験者が優遇されることで、未経験者にとってはさらに不利な状況になります。こうした競争の激しさを理解した上で、差別化できる準備を進めることが重要です。

ミスが許されない業務の多さが採用基準を高める要因

請求書作成やデータ管理など、事務職には正確性が強く求められる業務が多く、企業が採用基準を慎重に設ける要因となっています。

例えば、データ入力では金額のわずかな入力ミスが大きなトラブルにつながることがあり、ファイリングや書類管理においても後から参照できるよう正確に整理しておく必要があります。表には出にくい業務ながら、一つのミスが会社全体に影響を及ぼす可能性があるため、企業としても慎重に人材を選びたいという意識が強くなりがちです。

こうした業務の特性が採用基準を引き上げる一因となっており、未経験者に対しても一定の正確さや集中力を求める企業が多い理由となっています。

未経験で事務の正社員になるために必要なスキルと資格

未経験から事務の正社員を目指す上で、採用担当者に「即戦力に近い存在」と感じてもらうためのスキルや資格の準備は非常に重要です。事務職では特定の資格取得が必須とされることは少ないものの、パソコンスキルや関連資格を持っていることで選考において大きな差がつきます。

ここでは、事務職で求められる具体的なスキルと、取得しておくと有利になる資格について解説します。

事務職に必須のパソコンスキルと習得方法

事務職では、どの職種・業種においても基本的なパソコン操作スキルは欠かせない土台となります。

未経験であっても、WordやExcelの基本操作ができれば応募できる求人も存在します。また、電話応対やメールでの連絡など社内外の人とやり取りする機会が多い事務職では、ビジネス文書の作成スキルも重要です。

パソコンスキルは独学でも習得できるため、就職・転職活動を始める前から意識的に練習を重ねておくことが、採用に向けた着実な準備につながります。

Word・Excelの基本操作とタイピング速度

事務職への就職・転職を目指すなら、WordとExcelの基本操作に加え、一定以上のタイピング速度を身に付けておくことが求められます。

Wordでは議事録や報告書などのビジネス文書の作成、Excelでは売上データの入力や集計・表の作成など、どちらも業務の中で頻繁に使用するソフトです。未経験でもこれらの基本的な操作ができれば、応募できる求人の幅が広がります。

また、データ入力業務ではタイピング速度も重視されるため、日頃からタイピング練習を続けることで業務対応力の高さをアピールできます。MOS資格の取得やタイピング練習など、少しでも準備をしている人は採用担当者から評価されやすくなります。

メール・ビジネス文書の作成スキル

メールやビジネス文書の作成スキルは、社内外とのコミュニケーションを円滑に行うために事務職に欠かせない能力です。

事務職では社内の他部署や取引先への連絡をメールで行う機会が多く、適切な敬語・丁寧な文体・明確な内容構成が求められます。また、会議資料や報告書などのビジネス文書を作成する場面も多く、読む相手に伝わりやすい文章を書く力が必要です。ビジネス文書検定などの資格を取得することで、文書作成に関する基礎知識を体系的に身に付けることができ、未経験であっても一定のスキルを客観的に証明できます。

事務の正社員採用で有利になる資格

事務職では必須資格がない分、関連資格を保有していることが他の応募者との差別化につながり、選考で有利に働きます。

事務職の採用で評価されやすい資格としては、MOS(Microsoft Office Specialist)、日商簿記検定、秘書技能検定、ビジネス文書検定などが挙げられます。希望する事務職の種類に応じて取得する資格を選ぶことで、より効果的なアピールが可能です。例えば一般事務ならMOSやビジネス文書検定、経理事務なら日商簿記検定、総務事務なら秘書技能検定が特に有効とされています。

MOS(Microsoft Office Specialist)

MOSは、WordやExcelなどのMicrosoft Office製品の操作スキルを証明する資格で、事務職全般において高い評価を得やすい資格です。

事務職ではExcelやWord、PowerPointといったビジネス系ソフトを使用する機会が多いため、MOS資格の取得はパソコンスキルを客観的に示す有力な手段となります。未経験者でも比較的取得しやすく、就職・転職活動において「基本操作は問題なくできる」という証明として機能します。特にパソコン操作に自信

日商簿記検定

日商簿記検定は事務職でも人気の高い資格で、中には取得を採用条件としている企業もあるほど実務での評価が高い資格です。

貸借対照表や損益計算書などの財務諸表を作成するための知識・スキルを証明でき、経理事務を目指す方には特に有効です。日商簿記検定の中でも、実務に使えると選考で評価される2級の取得を目指すとよいでしょう。簿記資格の取得を考えている方には、最も広く認知されている日商簿記検定が選択肢として適しています。未経験からでも学習しやすく、資格取得を通じて経理知識の基礎を着実に身に付けられます。

秘書技能検定・ビジネス文書検定

秘書技能検定とビジネス文書検定は、ビジネスマナーや文書作成能力を証明する資格で、事務職全般において実務に直結するスキルをアピールできます。

秘書技能検定はスケジュール管理能力やビジネスマナーのスキルを示す資格として、総務事務や一般事務への応募で有効に機能します。一方、ビジネス文書検定は報告書や通知書などのビジネス文書を正確に作成する能力を証明するもので、書類作成が多い事務職では実践的な強みとしてアピールできます。どちらも未経験者が事務職への適性を示す上で役立つ資格であり、併せて取得しておくことで採用担当者への印象をより強固なものにできます。

パソコンスキルや資格がない場合の準備の進め方

パソコンスキルや資格がない状態からでも、段階的に準備を進めることで事務の正社員を目指すことは十分に可能です。

まずはタイピング練習から始め、WordやExcelの基本操作を独学で習得することが第一歩です。操作に慣れてきたらMOS資格の取得を目指すことで、学習の成果を客観的な形で証明できます。また、専門学校では事務職に必要な知識やスキルをカリキュラム全体を通して学べるほか、産学連携やインターンシップを通じて在学中から実務経験を積むことも可能です。資格がない段階でも、「現在学習中」であることを志望動機や面接で伝えることで、成長意欲をアピールすることにつながります。

未経験から事務の正社員に採用されるための志望動機の書き方

未経験で事務の正社員を目指す場合、志望動機は採用担当者が応募者の適性や意欲を判断する重要な材料となります。アピールできる職歴がない分、志望動機の内容で差がつきやすく、書き方一つで採用の可否が左右されることもあります。

ここでは、採用担当者の心に響く志望動機を書くための要素と、やりがちなNG例、前職経験の生かし方について解説します。

採用担当者に刺さる志望動機の要素

採用担当者に評価される志望動機には、「なぜ事務職なのか」という明確な理由・成長意欲・長く働く意思という3つの要素が欠かせません。

まず、「なぜ事務職を志望するのか」を過去の経験や自分の適性と関連づけて具体的に伝えることが重要です。次に、「業務を早く覚えたい」「スキルを身に付けたい」といった前向きな気持ちを表現することで、入社後の成長イメージを採用担当者に持ってもらいやすくなります。さらに、「長く働き続けたい」という意欲を示すことも効果的です。企業にとってすぐに辞めてしまう人材は避けたい存在であるため、安定して働く意思を示すことはプラスの評価につながります。

未経験者がやりがちな志望動機のNG例と改善策

「安定していそう」「座ってできる仕事だから」といった曖昧な動機は採用担当者の心に響かず、未経験者が陥りやすい典型的なNGパターンです。

「デスクワークに憧れて」「残業が少なそうだから」といった理由は、仕事への本気度が伝わらない上、事務職を選んだ必然性が感じられないため避けるべきです。改善策としては、自分のこれまでの経験や性格と事務職を結びつけた内容に書き換えることが有効です。

例えば「前職での丁寧な対応経験を生かして社内を支える役割を担いたい」といった形で、具体的なエピソードを交えながら「なぜ事務職でなければならないのか」を自分の言葉で語ることが、採用担当者の印象に残る志望動機につながります。

事務職の志望動機で生かせる前職経験の見つけ方

事務職とは直接関係のない前職の経験でも、切り口を変えることで志望動機に生かせる要素を見つけることができます。

例えば接客業での経験は「丁寧な電話対応や来客応対に生かせる」、販売職での経験は「コミュニケーションスキルや報連相の習慣につながる」と言い換えることで、事務職への適性としてアピールできます。また、職場での人間関係構築の経験や、複数の業務を同時にこなしたマルチタスク経験なども、事務職で求められる能力として結びつけることが可能です。

前職の職種にかかわらず、「その経験が事務職でどう役に立つか」という視点で振り返ることで、説得力のある志望動機を組み立てられます。

未経験から事務の正社員に転職・就職するための具体的な手順

未経験から事務の正社員を目指すには、闇雲に応募するのではなく、自分の状況に合った求人の選び方や活動の進め方を理解することが大切です。正しい戦略を持って行動することで、採用の可能性を着実に高めることができます。

ここでは、未経験者が実践しやすい求人の選び方から、転職エージェントの活用法、書類選考・面接でのアピール方法まで、具体的な手順を解説します。

未経験でも応募しやすい求人の選び方

未経験者が事務の正社員採用を勝ち取るには、応募する求人そのものを慎重に選ぶことが成功への第一歩となります。

残業なし・年間休日120日以上・高月給といった好条件の求人ほど応募者が多く、スキルの高い経験者が優遇されるため、未経験者には不利になりやすい傾向があります。条件を絞り込みすぎず、自分が働く上で重要視したい条件に優先順位をつけて探すことで、未経験でも採用してもらえる求人を見つけやすくなります。また、「未経験歓迎」「年齢不問」などのキーワードが含まれる求人も積極的にチェックしてみましょう。

中小企業や正社員登用制度のある職場を選ぶ

未経験者が事務の正社員を目指すには、大手企業よりも中小企業や正社員登用制度のある職場に的を絞ることが現実的な戦略です。

大手・中堅企業の事務職は条件が良く人気が高いため、未経験で採用される可能性は低くなりやすい状況です。一方、日本の企業のほとんどは中小企業であり、人手不足な企業も多いため、未経験者でも採用している求人が存在します。

昨今は働き方改革の推進により労働環境が整った中小企業も増えており、安定して働ける職場も多くなっています。正社員登用制度のある職場であれば、最初はアルバイトや派遣社員として入社しても、ゆくゆくは正社員を目指せる点も大きなメリットです。

派遣・アルバイトから事務経験を積んで正社員を目指す

派遣社員やアルバイトとして事務経験を積むことで、次の転職では「経験者」として正社員求人に応募できるようになります。

正社員登用のない企業であっても、派遣やアルバイトとして事務職を経験しておくことは将来の転職活動において大きな強みになります。また、「事務兼営業サポート」や「事務兼コールセンター」のように、純粋な事務職でなくても事務的な業務が含まれるポジションの経験も、事務職の実績としてアピールできます。間口を広げて求人を探すことで仕事も見つけやすくなり、実務を通じてスキルを身に付けながら着実に正社員への道を切り拓くことができます。

転職エージェントを活用して事務の正社員求人を探す方法

転職エージェントを活用することで、未経験者でも応募しやすい非公開求人の紹介や、応募書類・面接対策のサポートを受けながら転職活動を進めることができます。

転職エージェントは求人紹介にとどまらず、履歴書の書き方や面接対策など手厚いサポートを行っているため、転職活動が初めての方や何から始めればよいかわからない方にとって心強い味方となります。事務職の転職支援に強みを持つエージェントを選ぶことで、自分の希望条件や経験に合った求人を効率よく探せます。対面でのきめ細やかなサポートを受けることで、不安を抱えながらの転職活動にも安心して取り組みやすくなります。

書類選考・面接で未経験をカバーするアピールのコツ

書類選考・面接では、未経験であることを弱点としてではなく、成長意欲と前職経験を組み合わせた強みとして前向きに伝えることが重要です。

書類では、「なぜ事務職なのか」を具体的な経験と結びつけて記載し、現在スキル習得に取り組んでいることも積極的に伝えましょう。面接では「未経験でも早く仕事を覚えて戦力になりたい」という姿勢を言葉で示すことが、採用担当者に好印象を与えます。

また、前職での丁寧な対応経験やマルチタスク処理の経験など、事務職に通じる要素を具体的なエピソードとともに語ることで、経験がなくても「この人なら任せられる」という信頼感を生み出すことができます。

まとめ

事務の正社員は、安定した働き方を実現できる人気職種である一方、未経験者には競争の厳しさや即戦力志向の壁が立ちはだかることも事実です。しかし、WordやExcelの基本操作を習得し、MOSや日商簿記検定などの資格取得に向けて準備を進めることで、採用の可能性を着実に高められます。また、中小企業や正社員登用制度のある職場を狙い、志望動機に前職経験を結びつけて具体的に伝えることも、採用担当者の心を動かす重要なポイントです。未経験だからこそ、スキル・資格・志望動機の準備を丁寧に積み重ね、一歩ずつ正社員への道を切り拓いていきましょう。

未経験から事務の正社員を目指す上で、1人で求人を探して応募するよりも、転職のプロに相談しながら進めることで採用の可能性はぐっと高まります。「DYM就職」は、第二新卒・既卒・フリーターの方を中心に、時期・職種・エリアを問わず正社員就職をサポートする転職支援サービスです。
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事務職への転職に不安を感じている方、どこから始めればよいかわからない方も、まずはお気軽にご相談ください。