高卒の就職先おすすめ人気ランキング【職種別】求人の割合や高収入が狙える業界も解説

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監修者 熊谷 直紀
監修者 熊谷 直紀

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熊谷 直紀

監修者熊谷 直紀

横浜国立大学理工学部卒。株式会社DYMに新卒一期生として2011年に入社し、WEBプロモーションなどのデジタルマーケティング領域で業務に従事し、その後新規事業立ち上げを経験。
2015年よりDYMの人事部へ異動し人事領域を統括、毎年多くの就活生や求職者との面接・面談を実施。
内定チャンネルなどの採用関連メディアへの出演や記事監修を通して人事・人材関連の情報を発信中。

「高卒で就職するのは不利なのでは?」と不安に感じる人は少なくありません。しかし、実際の就職データを見ると、その印象は必ずしも現実を反映していないことが分かります。

文部科学省が発表した令和6年3月卒業者の就職状況によると、高卒就職は就職率が約98%と非常に高く、企業の求人数が求職者数を上回る“超売り手市場”が続いています。

製造業や建設業をはじめ、多くの業界で高卒人材は将来の担い手として積極的に採用されています。一方で、初任給や早期離職など注意すべき点があるのも事実です。

この記事では、高卒就職の現状やメリット・デメリット、向いている業界・職種、失敗しない企業選びのポイントまでを解説します。

これから就職を考えている人は、自分に合う仕事や働き方を見つけるために、ぜひ本記事を役立ててください。

高卒で就職している人の割合【高卒の就職事情】

文部科学省の「令和6年3月新規高等学校卒業者の就職状況に関する調査」によると、令和6年3月に卒業した高校生の就職率は98.0%と、極めて高い水準を維持しています。

① 高卒の就職状況(全国)

高卒就職の実態を正しく理解するためには、まず全国の就職データを確認することが重要です。感覚的に「就職が難しそう」と感じていても、実際の数字を見ると状況は大きく異なります。

ここでは、文部科学省が発表した令和6年3月卒業者の就職状況をもとに、高卒就職の全体像を見ていきましょう。

項目 人数
卒業者数 925,339人
就職希望者数 129,907人
就職者数 127,266人
未就職者数 2,641人
就職率 98.0%

このデータから、高卒で就職を希望した人のほぼ全員が仕事に就いていることが分かります。

未就職者は全体のわずか約2%にすぎず、現在の高卒就職が非常に安定していることを示しています。

高卒就職は決して特別な選択ではなく、多くの若者が現実的な進路として選んでいる道だと言えるでしょう。

出典:文部科学省「令和6年3月新規高等学校卒業者の就職状況に関する調査」

② 男女別の就職率

性別によって高卒就職のしやすさに差があるのかも、多くの人が気になるポイントです。

実際のデータを見れば、男女ともに高い就職率を維持しており、大きな不利がないことが分かります。ここでは男女別の就職率を確認します。

区分 就職率
男子 98.4%
女子 97.2%

男子・女子ともに就職率は97%を超えており、性別による大きな差は見られません。わずかに男子の方が高いものの、女子も非常に高水準で就職しています。

高卒就職は性別に関係なくチャンスがある市場であり、本人の希望や適性を重視した進路選択がしやすい状況と言えるでしょう。

③ 学科別の就職率

高卒就職のしやすさは、どの学科を卒業したかによっても差が出ます。専門的なスキルを学ぶ学科ほど、企業からのニーズが高く、就職率も高い傾向があります。

学科 就職率
工業 99.5%
水産 99.2%
商業 98.9%
福祉 98.9%
情報 98.8%
農業 98.7%
家庭 98.4%
看護 98.3%
総合学科 97.7%
普通科 95.9%

工業・商業・情報などの専門学科はほぼ全員が就職しており、企業から即戦力として期待されていることが分かります。

一方、普通科は進学者が多いため就職率はやや低めですが、それでも95%以上が就職しています。

学科による違いはあるものの、高卒就職自体の安定性は非常に高いと言えるでしょう。

④ 都道府県別の就職率

高卒就職のしやすさは、住んでいる地域や都道府県によっても差が出ます。

地元企業の数や産業構造の違いにより、求人の量や質が変わるためです。ここでは、文部科学省のデータをもとに、就職率が高い県を下表にまとめました。

就職率が高い県

都道府県 就職率
福島県 99.9%
富山県 99.9%
福井県 99.8%
三重県 99.7%
秋田県 98.8%
和歌山県 99.6%
香川県 99.6%
広島県 99.6%

⑤ 地域別の就職率

都道府県をさらに大きな地域単位で見ると、高卒就職の地域差がより分かりやすくなります。

産業が集積している地域や、地元雇用が強い地域では、高卒人材への需要が特に高い傾向があります。ここでは地域別の就職率を確認します。

地域 就職率
北海道・東北 97.5%
関東 97.3%
中部 96.4%
近畿 98.7%
中国・四国 99.0%
九州・沖縄 97.8%

中国・四国や近畿など、製造業や地場産業が強い地域ほど就職率が高い傾向があります。

全国的に見ても、どの地域でも就職率は96%以上と非常に高く、高卒就職が安定した選択肢であることが分かります。

地域に関係なく、就職先を見つけやすい環境が整っていると言えるでしょう。

高卒就職はなぜ「超売り手市場」なのか?

現在の高卒就職は「超売り手市場」と言われていますが、その背景には明確な構造があります。

なぜ企業がこれほどまでに高卒人材を求めているのか、その理由を知らずに就職先を選ぶのは危険です。ここでは、求人倍率や企業側の事情から、高卒就職市場の実態を解説します。

求人数>求職者数の構造

厚生労働省「令和5年度高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・就職内定状況(9月末現在)」によれば、高校生の求職者数約12万3千人に対し、求人数は約46万5千人に達しており、求人倍率は3.79倍という非常に高い数字を記録しています。

これは、生徒一人が平均して約4つの求人から選べる状態であり、歴史的な「超売り手市場」と言えます。

出典:厚生労働省「令和5年度高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・就職内定状況(9月末現在)」

企業が高卒を積極採用する理由

企業にとって高卒採用は、大卒採用と比較して採用コストが低く、『高等学校就職問題検討会議ワーキングチーム報告(令和2年2月10日)』によると、内定辞退が極めて少ない(約95%の事業所で辞退なし)という大きなメリットがあります。

また、若いうちから自社で育成することで、技術や技能を確実に継承できる「将来の担い手」として、確実かつ効率的な人材確保の手段として評価されています。

出典:90年代以降の高卒就職の変化 と今後の課題

高卒の就職先おすすめ人気ランキング【業界】

ここでは、高卒就職者が多く、かつ将来性や安定性が期待できる業界をランキング形式で紹介します。

就職率や人手不足の状況、キャリアアップのしやすさなどを踏まえ、高卒からでも長く働きやすい業界を厳選しました。業界ごとの特徴を知ることで、自分に合った進路選びに役立ててください。

出典:高等学校卒業者の学科別進路状況:文部科学省

製造業

製造業は高卒就職において最大のシェアを占める業界です。特に工業科卒業生の就職率は99.5%と全学科で最も高く、多くの生徒が工場の生産現場で技能者として活躍しています。

求人の質はブルーカラー中心で安定しており、日本のものづくりを支える中核となっています。

出典:90年代以降の高卒就職の変化 と今後の課題

卸売・小売業

卸売・小売業は多くの高卒者が活躍している業界です。

学科別データでは、商業科卒業生の約34.6%が就職を選択しており、内定率も98.9%と非常に高い水準です。

サービス業へのシフトが進む中で、接客や販売の現場では若手人材の需要が高く、未経験からでも経験を積みやすい環境が整っています。

出典:高等学校卒業者の学科別進路状況:文部科学省

建設業

建設業は就業者の約35%が55歳以上である一方、29歳以下は約11%にとどまっており、高齢化が深刻です。

そのため若手の確保が喫緊の課題となっており、社会保険加入率が98%に達するなど、労働環境の改善が進んでいます。
週休2日制の導入も進み、長く働きやすい業界へと変化しています。

出典:若者に魅力ある業界を目指して -安心して入職できる業界へ-

公務員

安定性を重視する層に根強い人気があるのが公務員です。令和2年度の地方公務員試験(高校卒業程度)では52,289人が受験し、競争率は6.1倍となっています。

近年は人物重視の採用や試験区分の多様化が進んでおり、学力だけでなく意欲や適性を評価する採用が増えています。

出典:地方公務員の職員採用方法の多様化について

運輸・物流

運輸・物流業界では、物流インフラを支える現場技能者として高卒者の需要が非常に高い状態です。

製造業と同様に、若いうちから実務経験を積み、フォークリフトや運行管理者などの資格を取得することで、長期間にわたって活躍できるキャリアパスが用意されています。

サービス・その他

医療・福祉を含むサービス業は求人が増加傾向にありますが、宿泊業・飲食サービス業の3年以内離職率は65.1%と高く、ミスマッチのリスクもあります。

そのため、応募前に職場見学を行い、約8割が「雰囲気がわかった」と回答しているように、現場の実態を確認することが定着の重要なポイントになります。

出典:新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)を公表します
出典:90年代以降の高卒就職の変化 と今後の課題

高卒の就職活動の流れ

ここでは、高校卒業後に就職を目指す人向けに、高卒就職ならではの進め方と年間スケジュールを解説します。

学校斡旋や一人一社制といった独自の仕組みを理解することで、内定までの流れをスムーズに把握できます。

学校斡旋・ハローワーク中心の仕組み

高校生の就職活動は、一般に「学校斡旋(あっせん)」と呼ばれる仕組みが中心です。

これは、ハローワークが受理した求人を学校が管理し、教育活動の一環として計画的に生徒へ紹介する制度です。

入学後からインターンシップや企業訪問を通じて段階的に進路指導が行われるため、生徒は心理的・経済的な負担を抑えながら、スムーズに社会人への移行ができます。

一人一社制とは?併願不可の理由

高卒就職で広く採用されているのが「一人一社制」です。これは、選考開始から一定期間は、生徒1人につき1社のみ応募できるという学校推薦のルールです。

併願が制限されている背景には、次のような狙いがあります。

目的 内容
学業への影響を抑える 短期間で進路を決めることで、授業や卒業準備に集中できます。
生徒の負担を軽減する 複数企業の試験準備や移動による心理的・経済的負担を避けられます。
内定の確実性を高める 企業側は辞退がほとんどないため、安定した採用が可能になります。
機会を公平に分配する 限られた求人でも、多くの生徒に応募のチャンスが行き渡ります。

高卒就職の年間スケジュール

高卒の就職活動は、全国共通の申し合わせに基づいて進みます。

出典:高等学校就職問題検討会議ワーキングチーム報告
出典:令和5年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る 求人・求職・就職内定状況」取りまとめ(9月末現在)|厚生労働省

求人解禁

企業の採用活動は次の流れで始まります。

  • 6月1日以降:ハローワークで求人申込の受付開始
  • 7月1日以降:企業が学校へ求人票を提出し、学校訪問が解禁

生徒は学校に届いた求人票をもとに、志望企業を絞っていきます。

職場見学

夏休みを中心に「応募前職場見学」が実施されます。

卒業生の80.4%が参加しており、その約8割が「職場の雰囲気や仕事内容が分かった」と回答しています。ミスマッチを防ぐうえで非常に重要な工程です。

採用試験

9月16日以降、全国で採用試験と内定出しが一斉に始まります。

多くの生徒はこの一次選考で内定を獲得します。不採用だった場合や10月以降の二次募集では、複数応募が認められる地域もあります。

内定・入社

選考後は速やかに内定が出され、翌年4月に入社します。令和6年3月卒では就職内定率が98.0%に達しており、学校・ハローワーク・企業の連携によって高い確率で就職が決まっています。

高卒就職と大卒就職の違いを比較高卒就職と大卒就職の違いを比較

高卒就職と大卒就職には、卒業年齢の違いだけでなく、採用の仕組みや処遇、その後のキャリア形成にも大きな違いがあります。

ここでは、公的データに基づき、主な4つの観点からその違いを整理します。

就職率

高卒・大卒ともに就職率は高水準ですが、採用の仕組みに違いがあります。

区分 内容
高卒 令和6年3月卒の就職内定率は98.0%。
学校と企業が連携する学校推薦(⼀⼈⼀社制)により、短期間で内定を得やすい仕組みが整っている。
大卒 学生自身が企業を探し、複数社に応募する自由応募が基本。内定までのプロセスが長く、活動負担も大きくなりやすい。

出典:高等学校就職問題検討会議ワーキングチーム報告

初任給

学歴による賃金差は、初任給の段階から表れています。

区分 初任
(2023年)
補足
高卒 186.8千円 中小企業への入職割合が高い
大卒 237.3千円 高卒より約5万円高い水準。
約46%が従業員500人以上の大企業に就職

キャリアの考え方

高卒と大卒では、企業が期待する役割や育成の方向性が異なります。

区分 キャリアの特徴
高卒 18歳から現場で経験を積み、企業の中核を担う技能・技術の担い手として育成されるケースが多い。
大卒 22歳からキャリアを開始し、管理・事務・技術職など専門性やマネジメント力を活かす職種に就くことが多い。

転職・再スタートのしやすさ

早期離職と再就職のしやすさには違いがあります。

項目 高卒 大卒
3年以内の離職率 38.4% 34.9%
1年以内に離職した場合の正社員再就職率 31.3%
3年以上勤務後に離職した場合の正社員再就職率 60.6%

短期間で離職すると、経験不足と見なされ、再就職で不利になる傾向があります。

高卒で就職するメリット

現在の労働市場では、高卒採用は求人倍率3.79倍の「超売り手市場」となっており、就職内定率も98.0%と非常に高い水準にあります。

この環境を正しく活かせば、高卒就職には大学進学とは異なる実践的なメリットがあります。

メリット1. 早期に社会人経験を積める

高卒就職の最大の強みは、大学進学者より4年早く社会人としてのキャリアをスタートできる点です。

企業は高卒者を、将来の技能やノウハウを担う存在として位置づけており、18歳から現場で育成することで、長期的に戦力化できる人材として期待しています。

若いうちから企業文化や専門スキルを身につけられる点も、大きなアドバンテージです。

メリット2. 進学費用が不要

高卒就職は、経済的な負担を抑えながら早期に自立できる選択肢でもあります。

大学や専門学校の入学金・授業料が不要なため、18歳から収入を得ることが可能です。

また、就職活動も学校斡旋を通じて行われるため、費用負担が少なく、就職活動費が1,000円以下だった卒業生は56.1%、約9割が2,000円以内で活動を終えています。

出典:高等学校就職問題検討会議ワーキングチーム報告

メリット3. キャリアチェンジしやすい

「18歳で就職すると将来の選択肢が狭まる」と思われがちですが、実際には若さと求人の多さが強い武器になります。

求人倍率3.79倍の環境では、複数業界から選択肢を持てるため、合わなければ方向転換もしやすいのが特徴です。

さらに、3年以上勤務した後に転職した場合、正社員として再就職できる割合は60.6%に達しており、早くから実務経験を積むことで、20代前半のうちに次のキャリアへ進む道も開かれています。

出典:高等学校就職問題検討会議ワーキングチーム報告

高卒就職のデメリット・注意点

高卒就職は売り手市場である一方、事前に理解しておくべき注意点も存在します。ここでは、よく挙げられる代表的なデメリットを3つ紹介し、それぞれの背景も解説します。

高卒就職のデメリット

  • 初任給は大卒より低い場合がある
  • 時間・勤務地の制約がある
  • 3年以内の離職率が高い

デメリット1. 初任給は大卒より低い場合がある

高卒就職のデメリットとしてまず挙げられるのが、初任給が大卒より低い傾向にある点です。

厚生労働省の調査では、高卒の平均初任給はおおよそ16〜18万円前後で、大卒より数万円低い水準となっています。

学歴 平均初任給
高校 186,800円
専門学校 214,500円
短大・高専 214,600円
大学 237,300円
大学院 276,000円

これは能力差というよりも、学歴ごとに賃金テーブルが分かれている企業が多いことが主な理由です。特に年功序列型の企業では、入社時点でのスタートラインに差が出やすくなります。

ただし、業界や企業によっては昇給スピードや資格手当によって差が縮まるケースもあり、初任給だけで将来を判断しすぎないことが重要です。

出典:(9) 新規学卒者の学歴別にみた賃金

デメリット2. 時間・勤務地の制約がある

高卒就職では、働き方の自由度が低くなりやすい点にも注意が必要です。製造業や建設業、物流などの現場職では、シフト制・早朝勤務・夜勤・残業が発生することもあります。

また、学校斡旋の求人は勤務地や職種が限定されている場合も多く、「本当は別の地域で働きたい」「別の職種にも興味がある」と感じても、選択肢が限られることがあります。

この点を理解せずに就職すると、生活リズムや働き方のギャップがストレスにつながる可能性があるため、職場見学や仕事内容の確認が欠かせません。

出典:若者に魅力ある業界を目指して -安心して入職できる業界へ-

デメリット3. 3年以内の離職率が高い

高卒就職で特に注意したいのが、就職後3年以内の離職率が38.4%と高めである点です。

これは大卒よりもやや高い水準で、「就職できる=長く働ける」とは限らない現実を示しています。離職理由として多いのは、以下のようなケースです。

主な離職理由

  • 仕事内容が想像と違った
  • 労働時間・休日が合わなかった
  • 職場の人間関係に馴染めなかった

特に高卒就職では、仕事内容や職場環境を十分に理解しないまま入社してしまうケースが、早期離職につながりやすい傾向があります。

出典:新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)を公表します

高卒者が好条件で採用されやすい企業の特徴

高卒就職で「良い条件の会社」に入れるかどうかは、学歴そのものよりも企業の考え方や採用方針によって大きく左右されます。

ここでは、高卒者が比較的好条件で採用されやすい企業に共通する特徴を3つ紹介します。

学歴を重視しない企業の共通点

高卒者を積極的に採用している企業には、学歴よりも人物・意欲・継続力を重視するという共通点があります。

こうした企業では、以下のような考え方が根付いていることが多いです。

  • 入社後に育成する前提で採用している
  • 資格・経験より「まじめさ」「素直さ」を評価する
  • 高卒・大卒の区別なく同じ現場からスタートする

特に製造業や建設業、物流業界などでは、実務を通じて成長できる環境が整っており、学歴によるハンデを感じにくい傾向があります。

面接時に「これまでの経験」より「仕事への姿勢」を見られる企業は、高卒者にとって相性が良いと言えるでしょう。

人手不足業界が高卒に与える影響

人手不足が深刻な業界では、高卒人材は即戦力候補かつ将来の中核人材として期待されやすくなります。代表的な業界としては、以下が挙げられます。

  • 製造業
  • 建設業
  • 運輸・物流
  • 介護・福祉

これらの業界では、「若いうちから長く働いてくれる人材」が強く求められており、採用条件や教育体制が手厚くなる傾向があります。

資格取得支援制度や、段階的な昇給制度を整えている企業も多く、高卒からでも安定したキャリアを築きやすい環境が用意されています。

「定着率が高い会社」の見分け方

高卒就職で最も重要なのは、「内定をもらうこと」ではなく長く働ける会社を選ぶことです。定着率が高い会社には、次のような特徴があります。

  • 高卒採用の実績が毎年ある
  • 職場見学を丁寧に行っている
  • 入社後の研修・フォロー体制が明確
  • 若手社員が実際に現場で活躍している

特に注目したいのが職場見学の対応です。仕事内容だけでなく、職場の雰囲気や社員同士の関係性を見せてくれる企業は、ミスマッチが起こりにくい傾向があります。

求人票の条件だけで判断せず、「この会社で3年後も働いているイメージができるか」を基準に考えることが、早期離職を防ぐポイントです。

高卒におすすめの就職先【職種一覧】

高卒求人の市場は、従来の製造業に加えて、サービス業・建設業・IT分野などへと広がっています。

多くの業界で若手人材(担い手)の確保が課題となっており、高卒者にとっては幅広い選択肢が用意されているのが現状です。

職種 主な特徴 向いている人の傾向
営業職 成果で評価されやすく、学歴の影響を受けにくい 人と話すのが得意、数字で評価されたい
接客・販売職 求人は多いが離職率が高め。
職場見学が重要
接客が好き、雰囲気を重視したい
事務職 地元中小企業での求人が多い 安定した環境で働きたい
建築・土木職 高齢化が進み若手需要が高い。
処遇改善が進行中
手に職をつけたい、現場仕事が苦でない
工場・製造職 高卒就職の最大分野。
専門技能が身につく
機械操作やものづくりに興味がある
IT関連職 若手IT人材不足で需要増。
内定率が高い
PC・ITに興味がある、
スキルを伸ばしたい
介護職 人手不足で採用が活発だが定着率に差 人の役に立ちたい、対人支援が好き
ドライバー 物流需要が安定。
労働環境の改善が進行中
運転が好き、体を動かす仕事がよい
施工管理職 現場経験を積める技術職。
業務量は多め
建設業界でキャリアを積みたい
公務員 安定性が高く競争率は高め 安定志向、公共性の高い仕事をしたい

営業職

営業職は、商品やサービスをお客さまに提案し、契約につなげる仕事です。近年はBtoB・BtoCを問わず幅広い業界で募集があり、高卒・未経験から挑戦しやすい職種のひとつです。

成果が数字で評価されるため、年齢や学歴よりも行動量や工夫が重視されやすく、早い段階で実力を認められるケースも少なくありません。

入社後は商品知識や話し方の研修から始まることが多く、社会人経験がなくても段階的にスキルを身につけられます。

人と話すことが苦にならず、自分の頑張りを収入や評価につなげたい人に向いています。

接客・販売職

接客・販売職は、店舗やサービスの最前線でお客さまに対応する仕事です。小売店、飲食店、ホテル、サービスカウンターなど活躍の場が幅広く、高卒・未経験から始めやすい職種として多くの求人があります。

入社後は接客マナーや商品知識の研修を受けながら、実務を通じてスキルを身につけていきます。

人と接する機会が多いため、コミュニケーション力や気配りが自然と磨かれ、将来的に店長やマネージャーを目指す道もあります。

職場の雰囲気や働き方が会社ごとに大きく異なるため、事前の職場見学や説明をよく確認することが大切です。

事務職

事務職は、書類作成やデータ入力、電話対応、社内の調整業務などを通じて会社の運営を支える仕事です。

パソコン操作や基本的なビジネスマナーが身につけば、高卒・未経験からでも十分にスタートできます。

特に中小企業では、事務と総務・経理などを兼任するケースも多く、幅広いスキルを身につけられる点が特徴です。

毎日決まった場所で安定して働きたい人や、コツコツと正確に作業を進めるのが得意な人に向いています。事務経験を積むことで、将来的に専門事務や管理部門へステップアップすることも可能です。

建築・土木職

建築・土木職は、道路や建物、インフラなどを現場で形にしていく仕事です。体を動かす仕事ではありますが、専門知識や経験は入社後に身につけていくのが一般的で、高卒・未経験からでもスタートできます。

現場では先輩社員の指導を受けながら、道具の使い方や作業の流れを学び、少しずつできることを増やしていきます。

経験を積むことで、技能者や現場リーダー、施工管理などへの道も開けます。ものづくりに興味があり、長く役立つ技術を身につけたい人に向いている職種です。

工場・製造職

工場・製造職は、製品の組み立て、機械の操作、検査、品質管理などを担う仕事です。多くの企業が未経験者を前提に採用しており、入社後の研修やOJTを通じて仕事を覚えていきます。

最近の工場では、単純作業だけでなく、機械の設定やトラブル対応など、専門性の高い業務も増えています。

経験を積めば、ラインリーダーや設備管理など、責任あるポジションに進むことも可能です。ものづくりに興味があり、安定した職場で長く働きたい人に向いています。

IT関連職

IT関連職は、システムの運用サポートやデータ管理、アプリ・Webサービスの保守などを行う仕事です。

専門的なイメージがありますが、多くの企業では未経験者向けの研修やマニュアルが整っており、高卒からでも基礎から学びながら働けます。

最初はサポート業務や簡単な操作から始め、少しずつスキルを広げていくのが一般的です。

ITスキルは業界を問わず活かせるため、将来の転職やキャリアアップにも強みになります。パソコン操作や新しい技術に興味がある人に向いている分野です。

介護職

介護職は、高齢者や障がいのある方の日常生活を支える仕事です。食事や入浴のサポート、見守り、レクリエーションの補助など、利用者と直接関わる場面が多く、やりがいを感じやすい職種です。

多くの施設では無資格・未経験からの採用を行っており、働きながら資格取得を目指せる制度も整っています。

職場によって人員体制や教育の充実度に差があるため、事前に職場環境を確認することが大切です。人の役に立つ仕事がしたい人や、対人支援にやりがいを感じる人に向いています。

ドライバー

ドライバーは、トラックや配送車を使って荷物や商品を運ぶ仕事です。ネット通販や物流の拡大により、安定した需要があり、高卒・未経験から始められる求人も多くあります。

入社後は運転研修や安全教育を受けながら、業務に慣れていくのが一般的です。

経験を積むことで、大型車両や専門輸送を担当できるようになり、収入アップにつながることもあります。運転が好きで、体を動かしながら働きたい人に向いている職種です。

施工管理職

施工管理職は、建設現場で工事の進み具合や品質、安全、スケジュールを管理する仕事です。現場作業員とは異なり、全体をまとめる役割を担います。

最初は先輩の補助としてスタートし、図面の読み方や工程管理を学びながら少しずつ任される範囲が広がります。

未経験からでも育成を前提とした採用が多く、経験を積むことで専門性の高い技術職へと成長できます。責任は大きいですが、建物が完成したときの達成感が大きく、長期的なキャリアを築きたい人に向いています。

公務員

公務員は、市役所や警察、消防、自治体の各部門などで、地域や社会を支える仕事を担います。高卒程度の採用枠も用意されており、学歴よりも人物面や適性を重視する選考が増えています。

採用後は研修を受けながら、事務、福祉、土木、消防などさまざまな分野で実務を学びます。

安定した雇用と明確な昇給制度があり、長く働きたい人にとって魅力的な選択肢です。地域に貢献する仕事がしたい人や、安定した環境でキャリアを築きたい人に向いています。

高卒就職で失敗しない人の共通点

高卒就職は就職率が高い一方で、「入社後に後悔した」という声が一定数あるのも事実です。

しかし、実際には失敗を避けて長く働けている人たちには、明確な共通点があります。ここでは、そのポイントを3つに分けて解説します。

企業選びの基準を明確にしている

高卒就職で失敗しない人は、「有名だから」「内定が出たから」といった理由だけで企業を選びません。

あらかじめ、自分なりの企業選びの基準を持っています。たとえば、以下のような軸です。

  • 勤務時間・休日は無理なく続けられるか
  • 仕事内容が具体的にイメージできるか
  • 教育・研修体制が整っているか
  • 高卒社員が実際に定着しているか

条件をすべて満たす企業は少ないですが、「ここだけは譲れない」というポイントを決めておくことで、入社後のミスマッチを大きく減らすことができます。

職場見学で見るべきポイントを押さえている

職場見学は、高卒就職において最も重要な判断材料の一つです。失敗しない人は、設備や仕事内容だけでなく、職場の空気感までしっかり確認しています。

特に見るべきポイントは以下です。

  • 社員同士の会話や雰囲気は自然か
  • 若手社員が実際に現場で働いているか
  • 質問に対して丁寧に答えてくれるか
  • 職場が整理整頓されているか

求人票には書かれていない情報こそ、長く働けるかどうかを左右します。「何となく違和感がある」と感じた場合は、その直感を軽視しないことが大切です。

「内定=ゴール」にしない考え方を持っている

高卒就職では、内定が出ると安心してしまいがちですが、本当のスタートは入社後です。

失敗しない人ほど、「入社してからどう成長するか」「この会社で何を身につけるか」を考えています。

  • 3年後にどんな仕事を任されていたいか
  • 資格取得やスキルアップの道はあるか
  • 将来、別の職種や役割に挑戦できるか

こうした視点を持って企業を選ぶことで、短期的な条件だけに振り回されず、中長期で納得できるキャリアを築きやすくなります。

【パターン別】高卒の就職先の探し方

高卒就職の成功率を高めるためには、自分の状況や性格に合った探し方を選ぶことが重要です。

ここでは、高卒者が実際によく利用している代表的な就職先の探し方を、パターン別に解説します。

学校の求人紹介を活用

在学中の高校生にとって、最も一般的で成功率が高い方法が学校の求人紹介です。

企業はハローワークを通じて求人を出し、学校が生徒に斡旋する仕組みのため、信頼性が高く、内定辞退も少ないのが特徴です。

学校推薦・一人一社制がある分、選択肢は限られますが、以下のようなメリットがあります。

  • 内定率が高い
  • 未経験前提の教育体制が整っている
  • 高卒採用実績がある企業が多い

「確実に就職したい」「初めての就職で不安が大きい」人には最適な方法です。

ハローワークで相談

ハローワークは、高卒者の就職支援に力を入れており、無料で相談・求人紹介を受けられる公的機関です。在学中だけでなく、卒業後や既卒の高卒者も利用できます。

担当者と面談しながら、以下のようなサポートをしてもらえる点が特徴です。

  • 希望条件の整理
  • 求人の紹介
  • 履歴書・面接対策

「学校経由以外の求人も見たい」「地元企業を中心に探したい」場合に向いています。

就職エージェントを利用

就職エージェントは、高卒・未経験向けの正社員求人を紹介してくれる民間サービスです。

エージェントによっては、専任のアドバイザーがつき、求人紹介から面接対策、条件交渉までサポートしてくれます。

特に、以下のような人に向いています。

  • 卒業後に就職活動をする人
  • 一度就職したが転職を考えている人
  • 学校の求人が合わなかった人
  • 無料相談する
  • Web求人サービスを活用

    Web求人サービスは、自分のペースで求人を探したい人に向いています。「高卒歓迎」「未経験可」といった条件で検索でき、業界・職種の幅も広いのが特徴です。

    ただし、求人情報の質は企業ごとに差があるため、以下の内容をしっかり確認する必要があります。

    • 労働条件の詳細
    • 離職率や口コミ
    • 募集背景

    情報収集力に自信がある人や、複数の選択肢を比較したい人におすすめの方法です。

    高校卒業後に就職した人のキャリア事例

    高卒就職は「スタート地点」に過ぎません。実際には、高校卒業後すぐに就職し、経験や資格を積み重ねながらキャリアアップしている人は多く存在します。

    ここでは、代表的な3つのキャリア事例を紹介します。

    製造業 → 管理職

    工業高校を卒業後、製造業の現場スタッフとして就職したAさんは、最初はライン作業からキャリアをスタートしました。

    日々の業務を通じて機械操作や品質管理の知識を身につけ、現場の改善提案や後輩指導を任されるようになったことが評価され、数年後には班長、その後は管理職へと昇進しています。

    製造業では、学歴よりも現場経験・継続力・責任感が評価されやすい傾向があります。

    若いうちから実務経験を積める高卒就職は、管理職を目指すうえでも有利に働くケースがあります。

    出典:令和6年3月新規高等学校卒業者の就職状況 (令和6年3月末現在)に関する調査について

    建設 → 資格取得 → 年収UP

    普通科高校を卒業後、建設会社に就職したBさんは、最初は現場作業を中心に経験を積みました。

    働きながら資格取得支援制度を活用し、関連資格を段階的に取得。その結果、任される仕事の幅が広がり、給与も着実にアップしていきました。

    建設業界では、資格が評価や給与に直結しやすく、「高卒 → 現場経験 → 資格取得 → 収入アップ」という王道ルートが確立されています。

    手に職をつけたい人にとって、非常に現実的なキャリアパスと言えるでしょう。

    出典:若者に魅力ある業界を目指して -安心して入職できる業界へ-

    文系高校を卒業後(IT未経験 )→ ITエンジニア

    文系高校を卒業後、IT企業に就職したCさんは、当初はパソコン操作も基礎レベルでした。

    入社後は、システム運用補助やサポート業務からスタートし、業務を通じてITスキルを学習。社内研修や自己学習を重ねることで、徐々に開発業務を任されるようになりました。

    IT業界では、学歴よりもスキルと実績が重視されるため、高卒・未経験からでもエンジニアを目指すことが可能です。

    継続的に学ぶ姿勢があれば、キャリアアップや職種転換も十分に狙えます。

    出典:90年代以降の高卒就職の変化 と今後の課題

    高卒就職が向いている人・向いていない人

    高卒就職は、多くの人にとって現実的で有力な選択肢ですが、全員に最適とは限りません。

    ここでは、高卒就職が向いているタイプと、進学を検討したほうがよいケースを整理します。

    向いているタイプ

    高卒就職が向いているのは、次のような特徴を持つ人です。

    • 早く社会に出て経験を積みたい
    • 実務を通してスキルを身につけたい
    • 学費や奨学金の負担を避けたい
    • 手に職をつけて安定した働き方を目指したい
    • 勉強よりも「現場で覚える」ほうが得意

    特に、製造業・建設業・物流・介護など、経験年数が評価されやすい業界では、高卒就職の強みが発揮されやすくなります。

    また、「まず働いてみてから将来を考えたい」という人にとっても、高卒就職は合理的な選択と言えるでしょう。

    進学を検討すべきケース

    一方で、次のような場合は、就職だけでなく進学も含めて検討する価値があります。

    • 将来やりたい職業が明確で、専門知識が必須
    • 研究・企画・設計などの職種を目指している
    • 学ぶこと自体に強い興味がある
    • 大卒資格が必要な職種を希望している

    たとえば、医療系専門職や研究職、特定分野のエンジニア職などは、進学が前提となるケースも少なくありません。

    「今すぐ働けるか」だけでなく、5年後・10年後にどんな働き方をしたいかを基準に考えることが重要です。

    まとめ|高卒就職は「正しい選び方」で成功する

    高卒就職は、決して不利な選択ではありません。就職率の高さが示すとおり、現在の高卒就職は売り手市場であり、企業からの需要も安定しています。

    大切なのは学歴ではなく、業界・職種・企業をどう選ぶかです。企業選びの基準を持ち、職場見学で実態を確認し、内定をゴールにせず入社後の成長まで考えることで、ミスマッチは防げます。

    高卒就職はキャリアの出発点にすぎず、経験や資格次第で選択肢は広がります。自分に合った環境を選ぶことが、将来の満足度につながるでしょう。

    よくある質問

    Q. 高卒で正社員になれる?

    はい、高卒でも正社員として就職することは十分可能です。実際に、高校卒業後に就職を希望した人の多くが正社員として採用されています。

    特に製造業・建設業・物流・介護などでは、高卒正社員を前提とした求人が多く、未経験から育成する体制が整っている企業も少なくありません。

    学校の求人紹介やハローワーク、高卒向けの就職支援サービスを活用することで、正社員就職の可能性はさらに高まります。

    Q. 高卒は将来不利?

    一概に不利とは言えません。高卒はスタート時点の給与や選択肢で差が出ることはありますが、経験やスキルを積み重ねることで十分に挽回・逆転が可能です。

    特に、経験年数や資格が評価されやすい業界では、学歴よりも実務能力が重視されるケースも多くあります。

    「将来不利かどうか」は学歴そのものより、どんな環境で、どう成長するかによって左右されます。

    Q. 高卒の初年度年収の目安は?

    厚生労働省の新規学卒者の学歴別にみた賃金によると、新規高卒者の初任給は月額186.8千円です。

    この金額をもとにすると、賞与を含まない初年度の年収目安は約224万円(186.8千円×12か月)となります。実際の年収は、賞与・残業代・企業規模によって大きく変動します。

    出典:(9) 新規学卒者の学歴別にみた賃金

    Q. 高卒で勝ち組と言える年収は?

    「勝ち組」の定義は人それぞれですが、一般的には年収400万〜500万円以上を一つの目安と考える人が多いようです。

    高卒でも、製造業の管理職、建設業での資格取得者、ITエンジニアなどでは、この水準に到達している人も珍しくありません。